青い翼を追いかけて ~とある飛行機好きの旅日記~

国内外の旅行記やマイル、ポイントの貯め方の紹介など

ANAダイヤモンドメンバーが誕生日にファーストクラスに乗った話 現地編その4 ウドバー・ハジー・センター

こんにちは、ほしとです。今回は誕生日にファーストクラスで行ったワシントンの三日目です。もう2年も前のお話ですが…。

この日行ってきたのは、飛行機好きなら誰もが一度は行ってみたいと思う場所、二日目に訪問した国立航空宇宙博物館の別館、ウドバー・ハジー・センターです!

場所はワシントンD.C.ではなく、ダレス国際空港の近くで、バージニア州ですね。車がない場合はバスでのアクセスとなります。

ウドバー・ハジー・センター

ウドバー・ハジー・センターとは

まずは施設の紹介です。正式名称はSteven F. Udvar-Hazy Centerで、Steven F. Udvar-Hazyさんが6,600万ドルを国立航空宇宙博物館に寄付し作られた施設のようです。Steven F. Udvar-Hazyさんって誰やねんって話ですが、アメリカの大手航空機リース会社の会長だそうです。それ以前にも、当時世界有数の航空機リース会社であったインターナショナル・リース・ファイナンス・コーポレーション(ILFC)の創業者、CEOであったとのこと。ILFCのボーイングのカスタマーコードはQ8。飛行機に詳しい方ならQ8はお馴染みかもしれません。

話がそれましたが、そのSteven F. Udvar-Hazyさんのおかげでできた施設ですよってことですね。開館したのは2003年12月、ライト兄弟が人類史上初の有人動力飛行に成功してからちょうど100年後です。

もともとD.C.の本館に展示されていた機体はもちろん、今まで公開する場所がなかった機体の展示や、収蔵している機体の修理、復元するための施設も併設しており、作業の様子も見ることができます。館内には所狭しと様々な機体が展示されていて、上下左右、いろんな角度から眺めることができ、飛行機好きには垂涎もんの施設です。

場所はダレス国際空港のランウェイ1L/Rの南側にあります。1Rへのアプローチ機が博物館の前から良く見えました。どうでもいい話ですが、日本では01と二桁で表記するのに、アメリカはなんで一桁表記なんでしょうね…。

アクセス

ウドバー・ハジー・センターへのアクセス方法は主に、レンタカー、路線バス、ツアーの3種類あります。空港から徒歩で行くことは不可能です(笑)

ツアーは相当いい金額が取られるようで、特に理由がない限りは選択肢にならないでしょう。レンタカーでの行き方はナビで確認いただければと思いますので、バスでの行き方をご紹介しますね。以前はD.C.の航空宇宙博物館からシャトルバスが出ていたようですが、現在は運行されていません。

バスでの行き方は簡単です。ダレス空港、もしくはワシントンメトロのシルバーラインのWiehle-Reston East駅からFairfax Connector Busの983系統に乗れば着きます。D.C.から行く場合はWiehle-Reston East駅までシルバーラインで行き、そこからバスに乗ることになります。

シルバーラインはダレスへの延伸を予定していて、私がワシントンを訪れた2019年の時点で線路はかなり完成していましたが、まだ開通していません。このご時世なので計画がかなり遅れているようで、今のところは2022年の開業予定だそうです。

ホテルを出発

ワシントンD.C.の対岸、バージニア州のクリスタルシティにあるクラウンプラザを出発してウドバー・ハジー・センターに向かいます。

まずはメトロのブルーラインでRosslynまで行き、シルバーラインに乗り換えます。シルバーラインでWiehle-Reston East駅まで30分ほど、そこからウドバー・ハジー・センターまで45分ほどかかります。バスがね、時間かかるんですよ。ダレスからウドバー・ハジー・センターまでは12分ほどなので、シルバーラインがダレスまで延伸されたらかなり時間が短縮できると思います。

到着し、まずは…

バスに揺られて到着しました!

このタワー、登れるみたいですね…。当時は開いてなかったのかな。記憶にありません(汗)次行った時は必ず登ります!

では、中に入ります!入場料は無料!こんな素晴らしいミュージアムが無料だなんて最高ですね。

朝から何も食べてなくてお腹空いてきたので、まずは腹ごしらえ。

館内にはマクドがありました。観光地価格ってことでめちゃくちゃ高いですが、仕方ないです。飲み物もおかわり自由なので許しましょう。

いよいよ展示室へ

突然話は変わりますが、私、ブロガーを名乗ってるくせに、ブログ用の写真を本当に撮ってないんですよね…。マクドを出た後、飛行機がどんなふうに見えてくるのか、写真があればよく伝わるんでしょうけど、飛行機そのものの写真しか撮ってないからそれもできず…。まあ、実際にはマクドから飛行機見えてるんですけどね(笑)

今後はもうちょっと人に見せる写真も撮ろうかなと思ったり思わなかったり。今後はそういうことも考えていきたいと思います(笑)そもそも、この時もカメラもバッテリーが切れて写真が取れなくなりましたし…。


さて、ここからはいくつかの機体をご紹介していきますね。

BOEING B-29 Superfortress "エノラ・ゲイ"

マクドから出てまっすぐ行くと、この機体がすぐに目に入ります。ここに来る前からずっと考えていました。エノラ・ゲイを目の前にした時、どのような感情が沸き起こるのか。
エノラゲイ
スミソニアン航空宇宙博物館とエノラ・ゲイといえば、あの「事件」が有名ですが、やはり説明の内容は必要最小限となっていました。
エノラゲイの解説
エノラ・ゲイという名称の由来が、この機体の機長を務めた人物の母親の名前というのは有名な話ですが、私にはどうしてもその感覚が理解できないんです。その名を付けた時はまだ原爆投下に使われることが決まってなかったのかもしれませんが、爆撃機である以上、人を殺すための飛行機であることははじめからわかっていたはずです。人を殺す飛行機に自分の母親の名前を付けるというのはどのような心理状態なのでしょうか。もしかしたら、そのこと自体が戦争の恐ろしさを表しているのかもしれません。
エノラゲイ
エノラゲイ
このように機体を様々な角度から眺めることができます。最初は上から見ていましたが、その後下に回って見上げた時、何とも言い表せないような気持ちになりました。私がここを訪れたのは8月9日。広島にリトルボーイを投下した三日後の1945年8月9日、エノラ・ゲイは天候観測機として再度日本に飛来し、小倉に原爆投下可能と報告しています。
下から見上げたエノラゲイ

Lockheed L-1049 Super Constellation "コニー"

スーパーコンステレーション
「空の貴婦人」とも称された優雅なフォルムが特徴の通称コニー。レシプロエンジン時代の傑作機です。日本の航空会社は導入することがありませんでしたが、海外の航空会社が日本線に就航させていたため、国内でも見る機会がある機種でした。全盛期はジェット機が本格的に導入される前夜、1950年代前半です。
斜め前から見上げるコニー
私がまだ中学生だった頃、よく見ていた航空関係のウェブサイトの掲示板(もう死語になりつつありますね…)に、カンザスで行なわれていたコニーの動態保存活動について書き込みされている方がいて、それ以来、いつかは見てみたいなとずっと思っていた機体です。空を飛ぶ姿を見ることは未だに叶っていませんが、こうして間近で見ることができ、本当に感激しました。民間機の塗装だったらもっとよかったんですけどね。

でも、私があこがれ続けた姿が確かにそこにありました。
コニー

Space Shuttle Orbiter OV-103 "ディスカバリー"

スペースシャトルディスカバリー
彼の有名なスペースシャトルの3号機、ディスカバリーです。もともとここには初号機のエンタープライズが展示されてたそうですが、スペースシャトル退役後、ディスカバリーが展示されることになり、エンタープライズはニューヨークのイントレピッド海上航空宇宙博物館に移されています。エンタープライズは滑空実験機で、一度も宇宙に行くことはなかったんですが、この話を聞いても、エンタープライズの不遇を感じずにはいられません…。
スペースシャトルディスカバリー
ディスカバリーの解説
一般的な飛行機に比べかなり胴体が太いからか、実際以上に大きく感じました。全長のわりに全幅が短いからかもしれません。
スペースシャトルディスカバリー
コロンビアの事故の時に話題になった耐熱パネルもよく見えます。宇宙から帰ってきて特に修復されていないはずなので、色が黒っぽくなっているところもありますね。
スペースシャトルディスカバリー

ディスカバリーの表面
機体表面の状態がよくわかります

オービターの解説
スペースシャトルといえば、私が大学の卒業旅行で打ち上げを見に行こうと計画したことがあったんです。スペースシャトル最後の発射が2011年2月末に予定されていて、せっかくだから最後に見たいなと思ったんです。結局、最後のひとつ前の発射が遅れてしまい、予定が変わってしまって断念しました。温暖なフロリダではなく、極寒のイエローナイフにオーロラを見に行く旅に変更。その時の旅のこともそのうち書きましょうかね。

でも実は、その最後からひとつ前の発射が2月末ごろに行われたので、予定通り行ってたら見られたんですよ。フランクフルトからオーランドまでルフトハンザの747-400に乗れるはずだったので、それも含めて少し残念でした。イエローナイフでオーロラ見たのもいい思い出になりましたけどね。
スペースシャトルディスカバリー

Aerospatiale コンコルド

さて、次は言わずと知れた超音速旅客機、コンコルドです。こちらも飛んでいる姿を見てみたかったですが、一度も見ることなく引退してしまいました。離陸の時のエンジン音はすごかったんだろうなと思います。
コンコルド

コンコルドのエンジン前部とメインギア
エンジン前部とメインギア

ここに展示されているのはエールフランスで活躍していた機体です。他に運航していたのはブリティッシュエアウェイズだけですが、そもそもコンコルドはフランスとイギリスの共同開発で、機種名のConcordeはフランス語です。英語だとConcordですね。機種名にフランス語が採用されたことに関し、当時のイギリスの技術省のトップ、トニー・ベンは「ConcordeのeはExcellence, England, Europe, そしてEntente(英仏協商)のeだ」とフランス語名が採用されたことに対して苦し紛れの弁明をしたって話も残っています。
コンコルドのノーズ
離着陸時には角度が変わる特徴的なノーズ

日本には羽田、長崎、関空に飛来していますが、定期便としては就航しませんでした。日本航空も発注しましたが、結局導入せず。衝撃波の関係で洋上でしか超音速飛行ができない制約があったほか、太平洋路線で使うには航続距離が短すぎた点も、導入する会社が英仏の二社しかなかった要因だと思います。
下から見上げたコンコルド
コンコルド

BOEING 367-80

ダッシュエイティ
第一世代ジェット旅客機のベストセラーボーイング707の原型がこの367-80、通称ダッシュエイティです。1機だけが製造され、現在はウドバー・ハジー・センターに展示されています。
ダッシュエイティ
707はダッシュエイティより胴体が6インチほど広く、3-3の6アブレストが実現、727や737にも流用されることになりました。そう考えると、ダッシュエイティは現在に至るまでのボーイングのナローボディ機の源流だと言えると思います。

ダッシュエイティのエンジン
エンジンはプラット&ホイットニー製

ダッシュエイティ全景

その他の展示

Restration hanger

ウドバー・ハジー・センター内には所蔵物の修復をする施設もあり、上から見ることができます。訪問時はDC-3が修繕中でした。
レストレーションハンガー

BOEING 307 ストラトライナー

ストラトライナー
世界初の与圧キャビンを採用した旅客機です。ただ、旅客型はわずか10機しか製造されなかったようで、現存しているのはこの機体のみ。この機体も、ウドバー・ハジー・センターまで空輸するためのシアトルからダレスまでの最後になるはずだった飛行でシアトルの海に不時着し、危うく全損するところだったようです…。その後無事に修繕され、ダレスまで自力で飛んできたということです。
ストラトライナー

ジェットエンジン

エンジンのファンブレード
何のエンジンか忘れました…。たぶんJT9DかPW4000シリーズだと思うんですが、さすがにファンブレードと内部を見ただけだと判別できません。エンジンナセルがあればわかるかもしれませんが…。
後から見たエンジン

その他の施設

ウドバー・ハジー・センター内にはおみやげ屋さんのほか、Airbus IMAX Theaterがあります。シアターは利用しませんでしたが、たしか料金がかかったと思います。

おみやげ屋さんはいろんな航空グッズが売られてたので、飛行機好きの方は必見ですね。

ウドバー・ハジー・センターからホテルへ

では、ホテルに帰ります。行きと逆ルートで帰るわけですが、途中、行きたいお店があるので、そこで晩ご飯をいただくことにします。

El Pollo Rico

ペルー式バーベキューがいただけるお店です。場所はD.C.ではなくバージニア州のアーリントン。シルバーラインで行くことができるのでちょうど帰り道です。

Clarendon駅から歩いて行きましたが、あらためて地図で見ると、Virginia Sq-GMU駅の方が近いですね…。もし行かれる時はVirginia Sq-GMU駅をご利用ください。

お店の外観
お店の外観

お店はセルフサービスなので、カウンターで注文して受け取ります。フードコートみたいな雰囲気です。

うん、前日のステーキなんかよりよっぽどおいしい(笑)値段はこっちの方がずっと安いし、最高です☆チキンの下に隠れているコールスローも有名なようです。

ホテルまでサイクリング

ここからはクリスタルシティにあるホテルまで自転車で帰ります。もちろん、Capital Bikeshareを利用しました。Capital Bikeshareについては次の記事をご覧ください。

ここでちょっとトラブル。お店の近くのステーションで自転車を借りようと思ったら、何度やってもうまいこといきません。ドックにライトが付いてて、開錠がうまくいくと緑に光るのに、何度やっても赤が点滅するだけで開錠できず。ステーションのドック、全て試しましたが全部ダメ。ここからどうやって帰るねんって絶望的な気持ちになりました…。まあ、シルバーラインで帰れるんですけどね(笑)

仕方がないから別のステーションに移動し、そこで試したら開錠できました!原因は不明ですが、何かしらの不具合があったようです…。

さて、ここからクリスタルシティまでは7キロ弱ほど。途中までは下り坂で非常に楽でした。

途中で何度か「ピットストップ」するわけですが、ちょうど帰り道にある国防総省、ペンタゴンに寄ってみました。

どうやら写真撮影は禁止されているようですので、お気をつけくださいませ。ペンタゴンは2001年のアメリカ同時多発テロでアメリカン航空77便が激突し、184人が犠牲になっています。その慰霊碑があり、24時間訪れることができるようですが、残念ながら近隣に自転車のステーションがなく、30分以内に次のステーションにたどり着けるかどうかわからなかったため、入口だけしか見ることができませんでした。

ペンタゴンのすぐ近くにはペンタゴンシティと呼ばれるショッピング街があります。大きなショッピングセンターやスーパー、ホテルなどがあり、メトロの駅もあるため、ワシントン観光の拠点にもすることができます。ここからペンタゴンまでは徒歩で行くことができます。

買い物が好きな方ならこのエリアは一日いても飽きないかもしれません。ホールフーズをはじめ、スーパーもいくつかあるので、おみやげも買えますね。

ここから私が宿泊しているクリスタルシティは徒歩圏内。旅の出来事を振り返りながら、少しさみしい気持ちで歩いてホテルに向かいました。

次回予告

さて、次の日はいよいよ日本に帰る日です。帰りももちろんファーストクラス!ついに念願のNH1の1Aが実現します☆

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス